ヒンディー語、ベンガル語、テルグ語、マラティー語、タミル語etc…とインドの通貨・ルピーのお札の裏に書かれている公用語だけでざっくり20言語以上あり、方言も含むと1000言語を超える多言語大国・インド。

そんな多言語大国インドでは英語が準公用語とされており、インドで旅行・生活・仕事をするには英語だけでも事足りると噂されることも多いですが、実際にはそんなことありません!

特にヒンディー語が使用されている北インドでは南インドよりも英語でコミュニケーションを取れる確率が低いです。また、日本人が多く住むデリーやグルガオンでは田舎から出稼ぎに来ている英語教育を受けれていないインド人がたくさんいるということもあり、デリバリーのスタッフやタクシーのドライバーなどはヒンディー語onlyでヒンディー語を理解できないと生活に支障が出てしまう場面が多々あります。

そして、なんといってもインド人(北部の)の心を掴むにはヒンディー語が重要。外国人が母語を知ってくれているというだけで、心の距離がグンっと縮まる感じがします。

実際、私は2年ほどインドで暮らしてみてヒンディー語の必要性を感じ、興味を持ってきたので、2021年夏〜2022年春の半年、デリーの政府系語学学校・ケンドリーヤヒンディーサンスターンに通ってみました。この学校の決め手は学費の安さでした。

今回は誰かのためになればいいなと思い、体験記を交えて学校について紹介します。

学校の概要

ケンドリーヤ・ヒンディー・サンスターン デリー校

英語名:Central Institute of Hindi
授業期間:8月〜翌年4月
授業数:月〜金の週5日(土日、祝日は休み。年末年始も休み。)
授業料:年間31,000Rs(約46,000円)
場所:南デリー
地図:https://goo.gl/maps/oasfcn3iEXok6ixe9
アクセス:デリーメトロHauz Khas駅からバスもしくはシェアリキシャに乗って学校近くのバス停・Katwaria Sarai駅まで10分。Katwaria Sarai駅から徒歩で5分。

ちなみにケンドリーヤ・ヒンディー・サンスターンはデリー校とアグラ校の2校あり、デリー校は私費学生と奨学生。アグラ校は基本的に奨学生のみ。

私が通った2021年度のデリー校は私費学生が8割、2割がICCR(インド政府奨学金)の奨学生でした。

ICCRの奨学生のクラスメイトは授業料無料、毎月数千ルピーの奨学金が貰えるようでした。(ICCRから奨学金が全く銀行に振り込まれないことが多々あり、トラブリまくってましたがwインドなのでね….。)

授業内容

サンスターンはレベル別にクラスが別れています。

私が在学していたときはコロナ禍で学生が少なかったこともあり、100【初心者クラス】と200【中級クラス】のみでした。通常時は300【上級クラス】以上のクラスもあるようです。

100【初心者クラス】はヒンディー語の読み書きから授業が始まり、ライティング・文法・リーディング・スピーキングの4構成の授業でした。

200【中級クラス】は基礎文法を習得済みで、日常会話ができる人のためのクラスです。200【中級クラス】は100【初心者クラス】と違い、文学の授業があります。

時間割について

100クラスと200クラスの時間割(もちろん時間割もヒンディー語です。)

私が在学していたときは生徒から授業を早めの時間に終わらせて欲しいとのリクエストがあり、午前10:30〜午後2:30の間に50分の授業が4コマの時間割でした。

リーディングのみオリジナルの教科書を使用し、その他の科目は先生がその日その日に用意してきた教材を使用しての授業でした。

昼休みは例年よりも短い30分のみで、毎日クラスメイトと急ぎ足で学校前のDHABA(食堂屋台)に駆け込んでパラタやチャイを急いで食べていました。

思い出深いw 学校前のDHABA(食堂屋台)

DHABAの食事は特別美味しいわけでもなかったのですが、一食100Rs以内で収まるので節約できます。

以前は学校内に食堂があったらしいのですが、コロナの為に休止されていて私の在学中は利用できなかったです。

私が通っていた100【初心者クラス】の各授業の感想

リーディングの授業

学校オリジナルのリーディングの教科書(英語表記は一切なし)に沿って授業が進んでいきます。ヒンディー語表記のみの教科書で最初は慣れませんでしたが、授業で何回も声に出して読むうちに慣れてきます。

ちなみに教科書に出てくる単語はデリーなどの都会ではなかなか使われない単語(都会人は英単語を使うような単語)が多く、デリーの若者との会話で使うと「プププッ!何その古語!」と笑われるような”ピュアヒンディ”が使用されています。

ですが、私はこのリーディングの授業から覚えたフレーズも多く、日常で役に立つことも多かったです。
先生はこの道何十年のベテランでしたが、雑談や授業から脱線することも多く、授業といえるような授業じゃない日も多々ありましたw

文法の授業

英語があまり得意ではない先生で、ヒンディー語で全て説明するので理解が追いつかないことが多かったです。また、言語学習者が求める順序で文法の授業が進まないので、初学者の私にはチンプンカンプン。分かりやすいと有名なCOMPLETE HINDIという文法書で自分で勉強する方が為になりました。

ライティングの授業

100クラス【初心者クラス】はデーヴァナーガリーの書き方から始まります。私は事前に勉強していたのでライティングの授業は1ヶ月ぐらいBoringでしたが、反対語や同音異義語など、独学ではなかなか勉強しない範囲をネイティブの先生と学ぶことができました。

スピーキングの授業

陽気なおっちゃんの先生が担当で、子供向けのヒンディー語の歌やポエムを一緒に歌ったり読んだりする授業でした。暗記してしまうほど同じトピックを1週間程毎日扱う授業。発音を矯正してくれるような授業ではないので、発音法は得意そうな先生に聞いたり、独学する必要があります。

サンスターンに通ってみての感想

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総じて、授業の効率は悪かったけど、学費の安さを考慮すればいい経験だったかな〜と思います。

効率や授業の質の高さを求めるならサンスターンでなく、私立の語学学校に行った方がいいです。
良かったポイント

・強制的にヒンディー語の文を読む環境を手に入れることができる
・週5なのでどっぷりヒンディー語のシャワーを浴びることができる
・ヒンディー語を学ぶ同志(外国人)と出会うことができる
・インドで生活しているだけでは中々書く機会の無い、膨大な量のデーヴァナガーリー文字を強制的に書く練習ができる
・図書館でヒンディー語の新聞や雑誌を読むことができる

BADなポイント

・いきなり授業が休みになったり、先生が授業に来なかったりすることが多々ある
・基本的にすごくやる気のある先生はいない
・次の日に何の単元の授業をするのか先生によっては予定を立てていないので予習ができない
・良くも悪くも外国人に慣れている先生しかいないので、間違った発音をしていてもあまり積極的に突っ込んでくれない

実際、どのくらいヒンディー語が伸びたか?

実際に使用していた文法書と学校のテキストとノート
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結論から言うと街中のちょっとした看板を読むことができ、買い物やタクシーを利用する時などのちょっとした日常会話ができるようになりました。

前提として、私はこのヒンディー語が英語以外の語学を学ぶ初めての機会でした。ですが、サンスターンに入学する前に仕事で2年ぐらい北インドにいたので耳はヒンディー語に慣れていた方だと思います。

また、入学する前に初歩の文法を日本人の先生に教わり、GET STARTED HINDI というボリュームが少なめの小さい文法書を一通り解いていました。

なので、デヴァナガリ文字は元々読める状態で入学したのですが、学校では長文なども強制的に読まされるため、文字の認識や読むスピードが速くなりました。

授業も慣れてくるとサボり気味になり、コロナ禍で一時期オンライン授業になってモチベが下がったり、他のことで忙しかったりして(言い訳w)ヒンディー語に半年間本腰を入れたとは言い切れませんが、それでも0が4にはなった気がします。

ヒンディー語は英語やスペイン語やフランス語などのメジャーな言語と違って、資格などのレベルを図るものが今の所ないので、どのくらいのレベルなのかを表すことができないのが残念ですが、簡単な会話であればヒンディー語話者が何を言っているか少しわかるようになったのは良かったです。

シェアハウスなどでインド人と生活を共にし、プライベートでも積極的にヒンディー語を話す機会を作れば半年間でもっと伸びたのかなーと思います。

これからも何かしらのタイミングでヒンディー語は活かせたらいいなと思うので、独学での勉強は続けていこうと思います。

入学手続きについて

サンスターンの入学には ①願書記入→②学校から入学許可のレターを貰う→③学生VISA取得→④現地で学費を払う→⑤入学 という手続きをふみます。(結構めんどくさい)

1
願書記入

願書には基本的な個人情報、現時点でのヒンディー語のレベル、健康診断、推薦状を記入そして記入をしてもらう必要があります。

私はインドにいたので学校から直接願書をもらうことができましたが、日本にいる方はサンスターンのHP記載のメールアドレスにメールをして願書のデータを送ってもらう必要があります。メールは返ってこない確率が高いので、入学窓口の担当者に直接連絡をした方が早いです。詳しくはうらべあづきさんのツイートから

また願書に推薦状がありますが、わざわざ卒業した学校の教授などに書いて貰う必要はないです。インド人の友達や英語が書ける日本人の友達に書いてもらってOKでした。

2
学校から入学許可書を貰う

これがないと学生VISAをGETできません。
インドにいる場合は学校から直接、日本にいる場合は学校がレターを郵送してくれます。

3
学生VISA取得
※情報は都度変わるので大使館に確認してください

学生VISA取得に必要なものリスト
・申請書(インド大使館のサイトから入力して取得)
・証明写真
・航空券予約確認表
・自己推薦書(英語)
・入学許可書(学校からもらったもの)
・授業料払い証明書(まだ渡航していなくて払っていない場合は払えない理由をつけた証明が必要)
・預金証明書
・履歴書

私はインドの現地法人で働いていた過去があるので上記に加えて、
・退職証明書
・納税証明書
の2つが必要でした。

4
現地で学費を払う

日本にいて現地で学費がまだ払えていない場合は、現地で学費を支払います。
偽札防止のために、お札一枚一枚の番号を紙に書かされましたw

5
入学(8月くらいから)

全てがうまくいったら入学〜。

レベルを測るために入学テストがあるらしいですが、私はその情報を知らずテストを受けていません。受けなくても、100クラス【初心者クラス】には入れます。
また、テストの成績が良くて200【中級クラス】の配属になっても、100クラス【初心者クラス】に入ることはできます。

私の同級生で何人か200【中級クラス】のヒンディー語レベルだけど、授業が難しかったり文学の授業は受けたくないという理由で100クラス【初心者クラス】に入ってきた人も数人いました。

サンスターンは学生VISAを取得することを推奨していますが、働きながら通っている駐在員さんや帯同できている駐妻さんも毎年ちらほらいるそうなので、交渉次第で駐在員さんや駐妻さんも通えるのではないかと思います….。

おすすめヒンディー語教材

①COMPLETE HINDI

英語の文法参考書兼問題集。 全編英語ですが、日本語で初学者用の良いヒンディー語の文法参考書兼問題集はないので、英語が苦手な方も調べながら頑張って解いてみる価値あります。 日本語のヒンディー語文法参考書兼問題集は大事な文法箇所の説明書きが飛ばされていたりして初学者にはわかりづらいのですが、これは詳しく書かれていることが殆どなので初学書に最適な本です。

②GET STARTED IN HINDI

上記の本を凝縮して簡潔にまとめた文法参考書兼問題集。 文庫本サイズで持ち運びしやすいですが、その分文法に関する説明書きが飛ばされていたりすることがあるので初学者はまずは上記の教材を使用することをおすすめします。

③大阪大学 ヒンディー語独習コンテンツ(無料)

日本語表記で文法から会話まで揃った独習コンテンツが無料。

ヒンディー語に興味を持ち始めたらまずはこのコンテンツで勉強を始めるのもいいかもしれません。

④中央ヒンディー語局(Central Hindi Directorate)の教材

無料で様々なヒンディー語の教材をダウンロードすることができます。

サンスターンの先生もこの教材をおすすめしてくれることがあり、日本ではなかなか手に入らない英語表記が一切無いヒンディー語のみの問題集はサンスターンの教材やテストと似ています。